日本は今、人口が増加し続ける「拡大社会」から、減少していく「縮小社会」へと移行しています。そんな中で、どのように社会を豊かにし、人々が幸せに生きていけるのかが重要なテーマとなっています。
先日、ウェルビーイング研究の第一人者である前野隆司先生が、Voicyで「縮小社会ではウェルビーイングが中心になるべき」というお話をされていました。その内容を踏まえながら、新宮CoCoスクエアの取り組みがどのようにこの考え方とつながっているのかを考えてみたいと思います。
※慶應義塾大学・武蔵野大学の前野隆司先生のVoicyを聞いてまとめてみたくなった。Voicyと音声のまとめは、最後に書いています。
ウェルビーイング(Well-being)とは、単なる経済的な豊かさではなく、「心身ともに充実し、幸せに暮らせること」を意味します。
これまでの拡大社会では、
経済成長を重視し、大企業が大量生産・大量消費を促進。
供給主導型の社会で、「企業が作ったものを消費者が買う」という形。
都市集中型で、地方の人々は都会に出て働くのが一般的。
しかし、縮小社会ではこの構造が変化し、
お金や経済成長よりも、幸福度や満足度を重視する。
需要に応じたサービスの提供で、一人ひとりのニーズに細かく対応。
地方分散型で、地域ごとに持続可能な暮らしを目指す。
前野先生は「縮小社会では、GDPや売上ではなく、ウェルビーイングを中心に社会を組み立てるべき」と話されています。
実は、新宮CoCoスクエアが行っている取り組みは、この「縮小社会におけるウェルビーイング社会の実現」にぴったり合致しています(と思っています)。
従来のオフィスは「月額契約」や「フルタイム利用」が一般的でしたが、新宮CoCoスクエアでは、
ドロップイン(1時間330円)やミニ会議室(1時間1320円)など、短時間から利用できる柔軟なプランを導入。
企業やフリーランスが「自分に合った働き方」を選択可能。
学生や起業家、地域の方々が気軽に利用できる環境を提供。
これは、前野先生が指摘する「供給が需要に合わせる社会」への転換そのものです。
縮小社会では、単一機能のビジネスモデルが難しくなるため、多機能な拠点が求められます。
新宮CoCoスクエアでは、
コワーキングスペース
レンタルボックス(小商いの場)
カルチャースクール
ラジオブース(「こんねくとラジオ」や福岡を元気にするラジオ)
イベントスペース(マルシェやワークショップ開催)
といった多様な機能を統合し、地域の人々が集まりやすい場所を作っています。
前野先生が述べた「1つの場所に多機能を持たせることで、地域の活性化を促す」という考えに合致しています。
縮小社会では、都会型の「個人主義」ではなく、地域の人々が助け合う「共助型の社会」が重要になります。
新宮CoCoスクエアでは、
レンタルボックスオーナーが「店長制度(月5時間)」で運営し、顔の見える関係を作る。
「小中高生レンタルボックス」など、子どもたちがビジネスを学ぶ場を提供。
短時間正社員(シューニ)の普及で、多様な働き方を支援。
これは、前野先生の言う「地域での助け合いが、幸福度を高める」という考えと一致しています。
前野先生は、デジタル技術の活用がウェルビーイング社会の実現に役立つと述べています。
新宮CoCoスクエアでは、
地域通貨「CoCoコイン」を導入し、地域経済を循環させる仕組みを構築。
デジタル決済(Pokepay)を活用し、キャッシュレス化で利便性を向上。
地域経済の再分配(3ヶ月ごとに失効し還元)により、持続可能な経済モデルを実現。
これは「デジタル技術を活用し、幸福度を向上させる仕組み」を作るという点で、前野先生の提言と一致しています。
前野先生がVoicyで語った「縮小社会では、ウェルビーイングを中心にした社会構造が必要」という考え方は、新宮CoCoスクエアの理念や取り組みと非常に強く結びついています。(と思っています)
需要に応じた柔軟な働き方・空間提供
多機能型の地域拠点の形成
人と人のつながりを重視したコミュニティの構築
デジタル技術を活用したウェルビーイングの促進
これらを実践することで、新宮CoCoスクエアは「縮小社会におけるウェルビーイングの実験場」として、これからの社会のあり方を示すモデルになり得ます。
今後、ウェルビーイングを軸にしたセミナーやイベントの開催、地域・行政との連携などを進めることで、さらにこの価値を広げていけるのではないでしょうか。
縮小社会の未来を、新宮CoCoスクエアから一緒に考えていきましょう!
参考:前野マドカ&前野隆司の幸福学TIPS https://voicy.jp/channel/2318